25/3/2024 (Mon.)

午前は大学でオリエンテーションその1(今週はその4まである)。昼は同僚の先生からランチをご馳走になる。教育者である以前に研究者でもあるのだから研究がしっかりできるような環境を作っていきたいという、とても心強いことを話していただき、本当にそうですよね、と思いながらうどんを啜った。

昼過ぎに帰宅し、少々のトラブルを解決。論文はチェックを依頼したので、別の短い論文のための文献調査を進める。論文や研究書をひたすら読み、自分の議論との関係を意識しながらメモ張にノートをとっていく。本来の専門とは時代がかなり違うので、新鮮な気持ちで取り組むことができる。以下、先行研究を読んでいて言及されていた、特定のトピックというよりは幅広い話題につながる本のメモ。

英米文学における日本の文化/文学の重要性を説いた古典的一冊。調べたところ日本語訳が出版されていたようだが、絶版の模様。一応、以下にリンクを貼っておく。

  • E・マイナー(深瀬基寛・村上至孝・大浦幸男訳)『西洋文学の日本発見』(筑摩書房、1959)

原著から一年後に翻訳が出版というのはすさまじいが、もしかすると事前に知らされていて早めの段階から訳出が進んでいたとかなのだろうか。ウェブ上には『比較文学』に掲載された書評もある。

ちょっと前(といってももう三年前ぐらいになる)に文庫化されたことで話題になった。文学研究ではテクストの「密猟」(poaching)というアイディアがよく知られているが、今日読んだ論文でもその話が引用されていた。読者/読書はたんに解釈学的な営みに従事するだけではない、という流れで。

  • Johannes Fabian, Time and the Other: How Anthropology Makes Its Object (Columbia University Press, 1983)

人類学による他者論の古典的著作。日本語訳は意外にも未出版の様子。

ある種のテクストが読者に対して記述されている内容が「まるで」(as if)自らもその場にいるような感覚を引き起こす、という話の流れで。

 

なんだか、こうして並べてみると何を調べようとしているのかがかなり見えてきますね。